研究概要 |
昨年度の研究により星生成の存在が明確になった、銀河最外縁の分子雲Cloud2について、すばる望遠鏡の近赤外線観測装置IRCS(Kobayashi et al.2000)を用いてフォローアップを行った。まず、昨年度の解析で見つかった南北それぞれの分子雲コアに付随した低質量星のクラスターのdeepimagingをJ(1.25μm)、H(1.65μm)、K(2.2μm)の3バンドで行い、さらに暗い天体を数多く検出した。この結果については、現在解析中であるが、銀河最外縁のように金属量が低いと考えられる領域での質量関数(mass-function)を明らかにできると期待される。また、とくに赤い5天体あまりの天体をKバンドにおいて分光観測し、実際に分子雲中で生まれているYSO(Young Stellar Objects)であるかを確認しようとしている(現在データ解析中)。 また、このCloud2について、電波によるフォローアップをCenter for Astrophysics(Harvard-Smithsonian Institute)の斎藤氏と開始した。この3月に野辺山45m望遠鏡による分子雲の観測、8月にはマウナケア山頂のJCMTサブミリ波望遠鏡による分子解離領域(Photo Dissociation Region)の観測が予定されている。これらの観測により、このような銀河最外縁における分子雲や星生成メカニズムに大きなヒントが得られると期待している。 一方、これら一連の銀河最外縁の星生成研究に関して、アメリカ・ワイオミング州で開催された国際会議「Galactic Structure,Stars,and Interstellar Medium(2000.6)」において一連のプロジェクトを発表した。
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