量子統計過程を研究するのに適したシステムを目指すために、私は電場印加した二重量子井戸ZnSe/(CdSe)n/(ZnSe)m/(CdSe)n/ZnSeの発光について研究している。二重量子井戸では、電場が強くなると、ある電場強度E_<th>で励起子発光ピークエネルギーは突然低エネルギーに10meV移動する。また、E_<th>は励起子の密度に依存した。この現象の物理的な原因を調べるために、その二重量子井戸に磁場をかけて、発光の電場と磁場依存性を測定している。 高密度励起された単一量子井戸ZnS/(ZnSe)_1/ZnSからの発光スペクトルと発光強度は光の放射方向に依存する。ZnSe層の励起電子系による発光スペクトルは高密度励起下で二つのバンドMとPに分けられる。高エネルギーバンドPは光の放射方向に依存する。バンドPはZnS/(ZnSe)_1/ZnS井戸の平面に垂直な方向に発光強度が最も強くて、井戸の平面の垂直方向からの角度(放射角度)が約40度以上になると消えてしまう。発光強度の時間減衰を測定すると、指向性のあるP発光の寿命はMより数十倍も早いことが分かった。以前の研究結果によると、ZnSe層からの発光の起因はZnSe/ZnSの界面の粗さから生じたランダムサイズのZnSe量子ドットにあるとされている。ZnSe/ZnSのconduction band offsetはゼロに近いので、電子は三次元に自由に運動することができ、ホールはZnSeに強く閉じ込められる。ホールと電子(励起子)の再結合の発光の光子エネルギーはホールの量子閉じ込めエネルギーで決定される。強励起の時、ホールとホールの間の相互作用が生じ、ホールのエネルギーに影響を与える。相互作用は主にCoulomb斥力である。Coulomb相互作用のためホールはcollective状態となって電子と再結合するため、一部分の発光が指向性が生じる。P発光はcollective状態からの放射である。
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