研究課題/領域番号 |
11740193
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
横谷 尚睦 東京大学, 物性研究所, 助手 (90311646)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1999年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 超高分解能光電子分光 / 角度分解光電子分光 / 低温化 / 超伝導ギャップ / 擬ギャップ / Ni炭化ホウ化物 / Ba_<1-x>K_xBiO_3 / 酸化物高温超伝導体 / 高分解能光電子分光 / 電子-フォノン強結合 / 超伝導ギャップ異方性 |
研究概要 |
東大物性研に建設した超高分解能角度分解能光電子分光装置を改良し、エネルギー分解能1.4meV,角度分解能0.2度、測定最低試料温度4Kを達成した。これらの諸性能は現時点で世界最高である。 この装置を用い、これまでの光電子分光装置の分解能と試料温度では測定の難しかった低温超伝導体について、その超伝導及び常伝導状態の電子状態を調べた。単体金属については、世界に先駆けて超伝導ギャップの観測に成功するとともに、電子-フォノン結合に起因する微細電子構造を見いだした。Ni炭化ホウ化物の結果は、その超伝導ギャップが異方的s-波であることを示した。Ba_<1-x>K_xBiO_3についても、超伝導ギャップを光電子分光で初めて観測することに成功するとともに、超伝導転移温度より上の温度で擬ギャップが存在することを見いだした。最近超伝導転移が発見された、シリコンクラスレートについても超伝導ギャップを測定し、、弱結合超伝導体であることを見いだした。 一方角度分解光電子分光実験からは、遷移金属ダイカルコゲナイド2H-NbS_<e2>について、これまで分離できなかったバンド全てを観測した。また、超伝導ギャップの観測にも成功し、その運動量依存性を調べた。酸化物高温超伝導体Bi2212については、2枚のCuO_2面に起因するバンド分裂と、バンドリノーマリゼーションを観測した。更に、これらの結果を低温超伝導体の結果と比較し、酸化物高温超伝導体の電子状態にフォノンが大きな影響を与えていることを見いだした。
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