研究課題/領域番号 |
11740197
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
竹中 康司 名古屋大学, 大学院・理科研究科, 助手 (60283454)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 巨大磁気抵抗 / マンガン酸化物 / 二重交換模型 / 光学伝導度 / 電気抵抗率 / ペロフスカイト / 不純物置換 / bad metal / インコヒーレント・メタル / 劈開面 / 強磁性金属 |
研究概要 |
巨大磁気抵抗効果を示す代表的なMnペロフスカイトLa(1-x)Sr(x)MnO(3)およびそのMnサイトの一部をAlで置換し、系統的にランダムネスを制御した一連の単結晶試料を作製し、光反射率と直流抵抗率を測定した。これにより、二重交換系における電荷-磁気-乱れの特異な結びつきを明らかにした。以下に具体的成果を記す。 (1)Mnペロフスカイトがいわゆる「不良金属(bad metal)」であること、また、光学伝導度スペクトルにおけるコヒーレントーインコヒーレント転移が、直流伝導度のモット極限を境に生じることを明らかにした。 (2)スピン分極に由来する、光学伝導度スペクトルの「exchange-gap励起」が2つ(約3eVと5eV)に分裂していることを明らかにした。このことは、従来は局在スピンと単純化されていたt2g電子も、スピン分極に伴う電子状態の変化に関与していることを示唆する。 (3)Al置換により誘起される強磁性絶縁(局在)相の光学伝導度スペクトルは、直流伝導を担う赤外域のピークの他に、可視域に別のピークを持つ特異なものであることを示した。 (4)Mnペロフスカイトの高Sr置換域でみられる常磁性金属相は乱れに対し不安定で、2%程度のAl置換で絶縁体化することを示した。このことは、二重交換物質Coペロフスカイトの安定な常磁性金属相と対照的であり、これまで単純な二重交換模型に従うとされてきたMnペロフスカイトの高Sr置換域においてもなお、付加的機構が有効に働いていることを示唆する。
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