研究課題/領域番号 |
11740201
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
成清 修 九州大学, 大学院・理学研究院, 助教授 (60252631)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2000年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1999年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 強相関電子系 / ランダム電子系 / 金属スピングラス / 金属絶縁体転移 |
研究概要 |
ガラス的物質群の理解を目指して理論的研究を展開しているが、本年度は特に下記のことについての論文を出版することができた。 ドープした半導体や希土類化合物(重い電子系)では金属スピングラスと呼ばれる新奇な状態が実現している。実験的には多くのデータの蓄積があるが、理論はほとんど未発達の状況にある。通常のスピングラスの理論は、絶縁体の局在スピンに対するものであるが、金属スピングラスの理論においては、遍歴するフェルミオン(電子)とスピングラスの秩序変数の共存を示さねばならない。2ないし3次元のスピングラスの議論はシミュレーションをしないと進まないが、理論的に確立しているのは無限大次元の解析的理論である。他方、フェルミオン系において確立した金属絶縁体転移(Mott転移)の理論は、やはり無限大次元の理論である。そこで我々は、スピン系とフェルミオン系の無限大次元の理論の統合を図った。具体的にはランダムなスピン・フェルミオン模型と呼ばれるモデルを無限大次元で厳密になる動的平均場近似を用いて調べた。過去、ミクロなモデルから出発して金属スピングラス状態を導出する試みは成功していなかったが、それはスピングラス系のダイナミクスを追跡できていなかったためである。我々はダイナミクスを正しく考慮し、金属スピングラス状態を導出することに成功した。同時にスピングラス相のなかで起こる金属絶縁体転移を導き、転移点を確定した。 現在、本研究の一環としてクラスター描像にたって、大偏差解析およびマルチフラクタル解析を実行し、2ないし3次元での金属スピングラスの理論を構築しつつある。
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