研究課題/領域番号 |
11740253
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体地球物理学
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研究機関 | 宮城教育大学 |
研究代表者 |
有馬 淑子 (高田 淑子) 宮城教育大学, 教育学部, 助教授 (70302255)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2000年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 月 / 月の海 / 月面観測 / 衝突盆地 / クレーター / SPH / 弾塑性運動 / 有限歪 / 衝突 / 弾塑性体 |
研究概要 |
今年度は、岩石強度を導入し大変形運動を実現した衝突クレータリング用SPHシミュレーションコードに、一定重力を導入した。2次元軸対称にて衝突現象をコンピューター上で再現することを可能とした。このコードを用いて、中央丘の形成、ならびに、つなみの伝播のように中央丘の崩壊に起因したリング形成が確認できた。これらの計算を、月面の大型クレーターに当てはめて考えると、重力レジメ下では、(1)中央丘形成型クレーター、より衝突エネルギーの大きい衝突現象は、(2)マルチリング形成となることが確認できた。また、両者の形成において、単純型のクレーターと比較し、直径に対して深さの浅いクレーターが形成されることが数値シミュレーション上においても確認できた。 さらに、本年度は、地上における月面観測システムの構築を行った。狭帯域フィルターと冷却CCDカメラを接続した天体望遠鏡を用いた観測から、地上からの月面表層の海の元素マッピングを可能とした。このシステムを用いて、静の海、晴れの海、豊の海、雨の海等の組成調査を実施した。これらは、クレメンタイン探査機データ解析とともに活用することで、新しい元素・風化度等の調査手法の確立に繋がると考えられる。 また、今年度は、クレメンタイン月面分光画像解析用の放射量補正・幾何補正・画像合成を行う自動化システムの運用し、昨年度実施したモスクワの海以外の、月裏側の海盆領域の画像解析、ならびに、元素量マップ作成を実施中である。これらにより、サウスポールエイトケン等の巨大盆地と溶岩流出物質との相関が可能となる。プレリミナリな結果では、サウスポールエイトケンの中心部は、海の噴出割合が一番大きい地域であり、山脈、すなわち、リング存在位置近傍は、噴出割合が中心部の次に高い地域であるようである。これらと組成との関連が、マグマソースとの関係を示唆する結果が期待される。
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