研究課題/領域番号 |
11740264
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
気象・海洋物理・陸水学
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
森川 由隆 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (40283519)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1999年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 振り分け潮 / 紀伊半島 / 三次元構造 / 時間変動 / 黒潮 |
研究概要 |
昨年度は振り分け潮の構造と時間変動について明らかにするとともに、同潮の発生や構造の変化には黒潮の流路が大きく関与していることを示した。本年度は振り分け潮と周辺海域の水塊構造について検討するため、2000年6月5日〜8日に三重大学練習船勢水丸に乗船し、紀伊半島南西岸から南東岸海域の広範囲にわたり、ADCPによる流向流速観測とマルチサンプラーを用いた水温、塩分、波長別光エネルギー分布の観測を行った。成果は次のように要約できる。 観測期間中、黒潮は潮岬からやや離岸傾向にあり、その流路はB型に分類されるものであった。ADCPによる観測では、振り分け潮の発生が確認されたが、流れの分岐地点は串本沖にあり、過去10年間の観測例(258回の観測データの解析では周参見から市江崎沖に集中)に比較して大きく南東方向に移動していた。また瀬戸埼沖では北西方向に1.9ktの流れが観測された。過去の典型的な振り分け潮発生時において、同地点で計測された流速は、95%信頼区間において0.5〜0.8ktであることから、今回の観測例が極めて特異であることが伺えた。いっぽう光の波長別エネルギー分布を比較すると、西側の潮岬-瀬戸埼沿岸海域では黒潮流域と同様のエネルギー分布を示す水塊が広く存在していたが、東側の潮岬-浦神沿岸海域では西側に比較して短波長側での減衰が激しく、黒潮とは明らかに異なる水塊が分布していた。このことから、振り分け潮の発生によって黒潮系水は紀伊半島南西沿岸海域の瀬戸埼沖にまで達していることが明らかとなった。
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