研究課題/領域番号 |
11740266
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
気象・海洋物理・陸水学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
西 憲敬 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00222183)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 熱帯 / 対流圏 / 発散 / 循環 / 鉛直構造 / 逆転層 |
研究概要 |
熱帯域対流圏上部の(水平)発散における鉛直微細構造を、NCEP再解析とECMWFの全球解析データを用いて解析した。昨年度は、対流圏中部と対流圏上部にそれぞれ興味深い鉛直微細構造を検出し、特に対流圏中部のそれについては、摂氏0度付近の水の凝結と融解によるものではないかという仮説に基づいて検証を行ったが、対流圏上部のそれについては、はっきりとしたメカニズムの考察はできなかった。本年度は、この上部の微細構造について、さらに解析を行った。従来、上部対流圏の発散場に顕著な鉛直微細構造をもたらす要因としては、積雲活動自身の上昇流が上部対流圏で急激に大きくなるようなメカニズムや、上部対流圏に大きな振幅をもつ発散性の波動が考えられてきたが、Mapes(2001)は、むしろ下降流域に原因をもつ、新しい考えを提唱した。現実的な水蒸気分布から想定される上部対流圏大気の放射冷却率(K/day)は鉛直に比較的一様であるが、断熱減率(K/km)が上部対流圏で大きく変化するために、放射冷却に伴う下降流の速度は、高度13km付近にくらべて、高度9km付近ではずいぶん小さくなっている。このような下降流速の鉛直変化は、必ず発散収束の微細構造をもたらすと考えられるというものである。この仮説を、実際に格子点データを用いて検討した。その結果、上部対流圏で統計的に微細構造がみられるのは、北半球夏のモンスーン域などに限られており、単純にこの仮説を広域にあてはめるのは難しいと思われた。次に、特に顕著な微細構造がみられる北半球夏のベンガル湾付近を詳細に調べてみたか、微細構造がみられるのは、上部対流圏に局在する強い上昇流の付近であり、これについても直接あてはめるのは難しいと思われた。しかし、NCEPとECMWFでは、発散収束の最大高度に3-4kmもの系統的な差異があることも多く、データの信頼性に疑問があるため、さらに直接高層観測データを用いた解析が必要と考えられる。
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