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溶岩流の磁気特性に関する実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 11740279
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 地質学
研究機関愛知教育大学

研究代表者

星 博幸  愛知教育大学, 教育学部, 助手 (90293737)

研究期間 (年度) 1999 – 2000
研究課題ステータス 完了 (2000年度)
配分額 *注記
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
キーワード古地磁気 / 岩石磁気 / 磁気特性 / アア溶岩流 / 残留磁気 / 溶岩流 / 大戸瀬層
研究概要

溶岩流の残留磁気特性を明らかにするために,本研究では青森県に分布する約2000万年前に形成された2枚のアア溶岩流を調査対象にし,高密度で採取した岩石サンプルの残留磁化を測定した.
測定機器の充実の面では,11年度は熱消磁装置の加熱ユニットを改良し(試料内部での熱均質性を向上させるため),12年度は交流消磁装置の電源および制御部を大幅に改良した(電源の安定化のため).
本研究により,アア溶岩流の磁化特性について,いくつかの新たな知見が得られた:
1.厚さ15〜20m程度の,地球上でごく普通にみられる規模のアア溶岩流では,その内部で残留磁化の方位が層序に沿って系統的に変化することが確認された.溶岩が冷えるときの通常的な地球磁場変動を記録したことが,この変化の主要な原因として考えられる.クリンカー部が溶岩流の磁気のもっとも初期の(最初に獲得された)記録で,中心部がもっとも晩期の(最後に獲得された)記録である.
2.磁化強度,保磁力,アンブロッキング温度,磁化率などの層序変化を解析した結果,1枚の溶岩流の内部で強磁性鉱物の種類,サイズ,含有量が変化することがわかった.熱残留磁気がもっとも安定しているのは,高温酸化が進行したクリンカー部である.
3.クリンカーがきわめて良好な熱残留磁気の記録物であることがわかった.磁化方位が一定しており,磁化強度も強く,外部磁場に対する抵抗力も大きい.通常の古地磁気研究では,クリンカー以外の塊状部からサンプルを採取するが,安定な熱残留磁気を得るという目的においては,クリンカーのほうが適している.
今後,本研究の成果を国際雑誌に発表するが,溶岩を対象とした今後の古地磁気研究に対して基礎的かつ重要な情報を提供すると考えられる.溶岩流以外にも,古地磁気学でしばしば測定対象になる火砕流堆積物についても,今回と同様な実証的研究をおこなう意義は大きく,今後の研究が待たれる.

報告書

(2件)
  • 2000 実績報告書
  • 1999 実績報告書

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公開日: 1999-04-01   更新日: 2016-04-21  

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