研究課題/領域番号 |
11740301
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
地球化学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
杉谷 健一郎 名古屋大学, 情報文化学部, 助教授 (20222052)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 電気加熱原子吸光分析装置 / 重金属 / 有機物 / 炭素同位体比 / 始源的海洋 |
研究概要 |
電気加熱原子吸光分析装置を用いて得られた始生代有機炭素質チャートの重金属濃度のデータと蛍光X線分析によって得られたアルミニウムやチタン、ジルコニウム等のデータを詳細に検討し、クロム、バナジウムはそのほとんどが砕屑成分由来と考えることができること、一方亜鉛、銅、鉛濃度は砕屑成分由来のみでは説明できないことを示した。また分離精製した有機物の同位体分析により、それらが生物起源であること、さらに希土類元素分析により、これらの堆積岩が熱水活動の影響下で生成したことを明らかにした。以上の結果から、熱水によって海水中に放出された亜鉛、銅、鉛等の重金属は生物を介して、例えば生体濃縮によって、堆積物中にとりこまれ、有機炭素質で過剰な亜鉛、銅、鉛を含有するチャートが生成された可能性を論じ、国際誌に投稿した。始源的海洋における重金属の挙動については、無機的なプロセスを中心として考えられることがこれまでほとんどで、生物源粒子の役割について詳しく考察されたことがなかった。しかし本研究によって生物源粒子(有機物)を多く含む始生代堆積物には重金属が過剰に存在していることが実証され、始源的海洋においても顕生代と同様に、重金属の挙動を考える上で生物源粒子の役割を無視することはできないことを明らかにした。なお、本研究を遂行する中で、アルミニウム、チタン、クロム、ジルコニウムの相互比を用いて堆積岩に含まれる砕屑成分の起源を推定する手法を考案し、これもまた研究成果の一つとしてあげられる。
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