研究課題/領域番号 |
11740312
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
岩崎 賢太郎 千葉大学, 工学部, 助手 (00251182)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1999年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | フラーレン / 電子構造 / アルカリ金属錯体 / 高次フラーレン / 金属原子内包フラーレン / 金属フラーレン |
研究概要 |
1.フラーレンの合成条件を検討することにより、これまで不可能とされていた、炭素数が150個を越えるフラーレンを得ることが可能となった。さらに、炭素数198個のものまでの生成を質量分析の手法により確認した。 2.生成されたフラーレンの分離方法を改良することにより、他の炭素数のフラーレンに対する純度が85%以上の試料を、炭素数ごとに炭素数が140個程度のものまで得ることができた。これは、これまで単離が報告されているフラーレンで最高の炭素数のものである。 3.本研究専用の真空昇華試料精製装置を導入したことにより、これまでよりも短い時間で、不純物の混入を心配することなく、微少な試料の分離精製作業を効率よく行うことが可能となった。測定に使用する試料フラーレンの純度と量を増加させることが可能となった。 4.フラーレンのイオン化ポテンシャルは、フラーレン分子を構成する炭素数の増加に伴い減少するが、その減少は、連続的に起こるのではなく、段階的に起こることを見いだした。また、この段階的な減少が、フラーレンの分子構造と密接な関係が相関があり、疑似原子モデルで説明できることを提案した。 5.炭素数が100個を越えるフラーレンは、それ以下の炭素数のものに比べ、安定性に劣ることを示した。 6.微少試料で電子状態の測定を可能とするための、試料台の改良を行った。 7.金属原子内包フラーレンの電子状態は、中空のフラーレンの電子状態と比して、価電子帯のごく浅い部分だけが変化し、その変化の仕方は、内包される金属原子によって大きく変化することを示した。
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