研究概要 |
平成12年度は、研究計画書に記載したように、ラジカル-電子衝突実験を行いました。 (1)含金属ラジカルの電子励起過程の研究 Nd:YAGレーザーを使用して、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素ガスの自由噴流中で、Ba,Sr金属片をアブレーションすることにより、BaCl,SrCl等のビームを発生させました。電子衝撃で誘起された発光を検出・スペクトル測定を試験しましたが、ラジカルを生成するに充分なアブレーション強度では、ビーム中に多くの金属微粒子が発生してしまい、電子との2次衝突のため精確な発光強度の測定は困難でした。 (2)CNの電子衝撃による絶対励起断面積の測定 超音速自由噴流ノズル先端のテフロンチャネル内で、窒素噴流の炭素細棒を電極としたパルス放電を行い、CNラジカルビームを発生させました。電子ビームとの交差領域において放電と同期した発光は検出できましたが、ビーム形状・強度が不安定であり発光強度がかなり低いため、断面積を決定できるほどS/N比のよいデータは得られませんでした。 実施期間内に公表できる結果は得られませんでしたが、ラジカルの電子衝撃発光の検出には成功しました。今後は大幅にラジカルビーム源を改良し、目標達成のため研究を継続します。
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