研究課題/領域番号 |
11740380
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能・物性・材料
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
藤塚 守 東北大学, 反応化学研究所, 助手 (40282040)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | フラーレン / 光誘起電子移動 / ドナー・アクセプター結合分子 / オリゴチオフェン / レチニル / 微粒子 / フェムト秒過渡吸収 / マイグレーション / 光誘起電子移動反応 / 有機微結晶 / 無機微結晶 / ドナーアクセプター結合分子 / レーザーホトリシス |
研究概要 |
フラーレンを用いたドナー・アクセプター結合分子系を合成した。ドナーとしては長鎖パイ系を用いることにより、電荷分離状態の長寿命化が実現するため、オリゴチオフェンやレチニル基を用いた。オリゴチオフェンの鎖長依存性を検討した結果、繰り返し単位が3のときは電荷分離状態が不安定化するため短寿命であるが、4以上で励起三重項状態との平衡によりマイクロ秒オーダーとなることを見出した。このような励起三重項状態との平衡による長寿命化は他のドナーでも見出され、レチニルを用いたときには20マイクロ秒もの長寿命電荷分離状態が実現した。さらに、ドナーとしてはアズレンも有効であり、アズレンを用いた3分子系の合成を行った。 また、チオフェンとフラーレンのドナー・アクセプター結合分子に再沈法を用いたところ、約100ナノメーターの粒径の微粒子が得られることを電子顕微鏡観察等で確認した。このようにして得られた微粒子にフェムト秒過渡吸収測定を行ったところ、電荷分離状態が1ピコ秒以内に生成することが明らかになった。溶液中の分子の電荷分離状態が数十ピコ秒で生成するのことを考慮するときわめて早い電荷分離は、微粒子中での分子間電荷分離状態の寄与に起因すると考えられる。一方、電荷再結合は約半分がイオン対間の再結合で失活する一方、34ナノ秒の長寿命成分があることが明らかになった。この長寿命成分は電荷分離により生じたキャリアー(ホールおよび電子)が微粒子中をホッピングによりマイグレーションした後再結合する過程と考えられる。
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