研究課題/領域番号 |
11740387
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能・物性・材料
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
松本 明彦 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (90239088)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2000年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 繊維状メソ細孔性シリカ / 吸着 / 吸着熱 / 表面修飾 / 紐状ミセル / サレン / MCM-41 / FSM-16 / メソポーラス物質 / メソポーラスシリカ / シリカ繊維 / メソ孔 |
研究概要 |
繊維状メソ細孔性シリカの調製と表面化学活性の賦与を最終目標として以下とおり検討、知見を得た。1.メソ細孔性シリカ調製時に反応溶液中のカチオン性界面活性剤(アルキルトリメチルアンモニウム,ATMA)ミセルの形状を制御することで、粒子形状が繊維状でかつメソ細孔が繊維軸方向に配向した試料の調製を試みた。サリチル酸ナトリウム(NaSal)をATMA溶液に添加すると紐状ミセルが生成する。この条件下でテトラエトキシシラン(TEOS)の加水分解を行い、繊維状メソ細孔性シリカの調製に成功した。この繊維状試料は細孔径4.4nmの六方構造を有する均一なメソ細孔を持つ。粒子形状はATMA濃度(=NaSal濃度)を55-5.5mmol/Lの範囲で変化させることにより制御でき、低濃度になるに従って繊維長は数10^<-2>から2-3ミリメートルに増加する。2.繊維状シリカの細孔構造と分子吸着性の相関性を知るための基礎として、メソ細孔性シリカの表面特性、各種分子吸着性を調べた。調製直後のメソ細孔性シリカ表面は疎水的であるが、水吸着によりシラノール基(Si-OH)が生成し親水的になる。一旦生じたSi-OHは823K真空処理後も一部残存して表面親水性を示す。2.表面化学活性の制御を目的として有機官能基の導入、金属錯体の固定化ならびに有機高分子コーティング修飾を試みた。シリル化試剤を用いて表面水酸基をオクチル基、アミノプロピル基で修飾すると、それぞれ疎水安定性、アルデヒド高吸着性が発現する。コバルトサレン錯体(Co-Salen)を細孔内に高分散修飾すると酸素吸着性発現し、吸着量はバルクCo-Salenの3倍に達した。4.剛直な高分子であるポリイミドで細孔壁をコーティングによる細孔構造の安定化と表面化学活性制御の可能性を探るため、ポリイミドの性質を調べた。ポリイミドは573K以上の加熱で炭素化が始まり、873K以上の加熱でミクロ細孔が生成する。ポリイミド前駆体の原料単量体をメソ細孔内に吸着させ重合脱水することにより細孔内にポリイミドオリゴマーの生成を示唆する結果を得ている。
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