研究課題/領域番号 |
11740397
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物質変換
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
近藤 裕一郎 北大, 理学(系)研究科, 助手 (90301928)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1999年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | アルミニウム / ルイス酸 / カプセル分子 / 有機合成反応 |
研究概要 |
分子カプセル内に閉じ込められた分子はカプセル外から隔離され著しく異なった環境にあるため、通常不安定である化学種が存在したり特殊な反応性を示すことがあり、このような視点からの分子カプセルの構築とその有機化学及び物理化学的応用が近年注目を集めている。今回私は、半球型の反応場を有するルイス酸型レセプター、アルミニウムトリス2.6-ジフェニルフェノキシド(ATPH)をホスト分子として用い、ATPH二分子が適当なジカルボニル化合物の二つのカルボニル基に同時に配位することで、ルイス酸-塩基相互作用を介した今までに無い形式による安定な分子カプセルを形成することを^<13>CNMR測定により明らかにした。さらにこの分子カプセル形式の利点を活かし、選択的合成反応への応用を検討した。その結果アルキルリチウムを用いたアルキル化反応において、内包分子として1,4-シクロヘキサンジオンを用いた場合、この基質はホスト分子のATPHによってほぼ完全に保護され求核剤の攻撃を受けず、また他のカルボニル化合物が共存した系においても低温ではこれらと置き換わることなく分子カプセルが安定であることを見い出した。また別のアプローチとして、このカプセル形成をp-キシロキノンとジエン化合物のディールズ・アルダー反応に適用したところ、カプセル形成の際、基質二分子をうまくカプセル内に取り込んだ場合には反応が円滑に進行し、カプセル形成によって反応が促進されることを見い出した。言い換えれば、今回設計した分子カプセルが有機合成変換反応において反応保護、あるいは反応促進として二重の能力を有することを示し、ATPHの新たな機能性を引き出すことに成功した。
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