研究課題/領域番号 |
11740410
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分離・精製・検出法
|
研究機関 | 奈良教育大学 |
研究代表者 |
中田 聡 奈良教育大学, 教育学部, 助教授 (50217741)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
|
キーワード | 非線形 / 化学分析 / 高次元情報 / 化学センサ / 非導体ガスセンサ / 非平衡 / センサ |
研究概要 |
本研究では、非線形応答を指標とした化学分析法について、基礎実験、現実系を指向した実験、及び理論的研究を次の通り行った。 まず共存ガスの効果に関する研究として、現実系を指向した混合ガスに対する半導体ガスセンサの応答を行った。ガス分析法であるガスクロマトグラフィーでは、混合ガスをカラム内で分離後検出器で分析する、いわゆる独立検出型である。それに対して、味覚・嗅覚では混合によって生じる特性(例えば味や匂いの調合など)が各成分の濃度の応答以外に加わってくるため、味覚・嗅覚をまねた本実験系では、このようなガス混合の効果を評価することが可能である。実験結果としては、ガス混合によってa.応答性の高いガスのみ検出される場合、b.各々の応答の和が成り立つ場合、c.混合によって異なる応答が得られる場合、d.ベースラインがシフトして応答性の高いガスの曲線が現れる場合、d.応答が抑制される場合、e.応答が高められる場合、の5種類のパターンに分類されることがわかった。 これらのガス混合の効果を、半導体ガスセンサの伝導度特性とセンサ表面での反応機構を考慮した計算機シミュレーションを行ったところ、センサ表面に吸着したイオン化酸素と試料ガスとの中間体の安定性によって、上記5種類のパターンを再現させることに成功した。以上のデータをセンサ応答にフィードバックすることにより、各成分の試料の濃度決定だけでなく混合系における応答の評価を行うことが可能となる。 アルコールの酸化など、センサ応答によって生成物が生じる場合について、ガスクロマトグラフィーとセンサ応答との同時測定を行ったところ、センサのサイズが小さいため、現実験条件では生成物の検出は高濃度のみ可能であることがわかった。低濃度でも検出可能な実験系に改良したい。
|