研究概要 |
タバコ葉緑体ゲノム(155,939bp)上の同定された全タンパク質遺伝子79種のmRNAを対象に、以下の研究を行った。 1)mRNA上の5'非翻訳領域につき比較解析し、Shine-Dalgarno(SD)配列を持つもの、全く持たないもの、及びSD配列以外の16SrRNAの3'末端と相補正配列を持つものに、3大別できることを示した。 2)SD配列を持つpsbA,rbcL,atpE,およびrps14のmRNAにつき、in vitro翻訳系を用いて翻訳活性を測定したところ、SD配列は翻訳開始コドンの上流より5〜12ヌクレオチド内に位置しなければ、機能しないことを明らかにした。 3)SD配列を全く含まないatpB mRNAにつき同様の解析を行ったところ、16SrRNA3'末端配列は翻訳開始時には機能しないことを示した。従って、この場合はRNA-RNA結合ではなくRNA-タンパク結合が翻訳開始に必要と思われる。
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