研究課題/領域番号 |
11740454
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物形態・構造
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
唐原 一郎 富山大学, 理学部, 助手 (60283058)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1999年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | カスパリー線 / 二次壁 / エンドウ / クチクラ / 微細構造 / 小胞輸送 / コーテッドベシクル |
研究概要 |
・2軸トモグラフィーによる、植物表皮細胞における輸送小胞の形態解析 植物の輸送小胞については未だに形態、機能やアセンブリに関する知見が非常に少ない。最終的には二次細胞壁形成に関する小胞輸送の仕組み明らかにする目的であるが、その前段階として、小胞の形態を3次元レベルで詳細に解析することにより輸送小胞の種類を把握する必要があると考え、表皮細胞における輸送小胞の微細構造の解析を行った。そのためには時間分解能の高い急速凍結法を適用する必要がある。高等植物で加圧急速凍結法を適用できる実験系としてタマネギ表皮細胞を用い、表皮クチクラ層直下の接線切片を作製し、超高圧電子顕微鏡を用いて2軸トモグラフィーを行った。これにより、昨年度行った普及型電子顕微鏡の100kVの加速電圧による1軸トモグラフィーに比べてはるかに精密な立体再構成を行うことができ、輸送小胞の被覆構造や膜構造まで詳細に解析可能であることがわかった。これにより被覆ピットから被覆小胞までの変化を表すと考えられる一連の像を観察することができ、輸送小胞は輸送過程に伴って非常にダイナミックな形態変化を起こしていることが明らかになるとともに、クラスリン被覆小胞のアセンブリを明らかにするための重要な手がかりを得られた。 ・二次細胞壁形成に関わる細胞内極性輸送の標的となる情報の存在の検証 植物の二次細胞壁形成に関わると考えられる、極性を持った小胞輸送には、輸送の標的となる何らかの特異的な情報が関わっている可能性が考えられる。エンドウ茎のカスパリー線形成において、この輸送の仕組みを解明するための、標的側からのアプローチの試みとして、まず、かかる情報の存在を検証することを実験形態学的な手法により試みた。人為的に内皮細胞の放射壁の幅を広くさせる外科的処理を行ったところ、その後で形成されたカスパリー線の幅が広くなった。このことから、カスパリー線の形成過程において、カスパリー線の形成位置もしくは幅を決める情報が存在する可能性が示唆されるとともに、内皮細胞の放射壁の幅がカスパリー線の幅を決めるパラメータの一つである可能性が示唆された。
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