研究課題/領域番号 |
11740475
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
系統・分類
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研究機関 | 国立環境研究所 |
研究代表者 |
河地 正伸 国立環境研究所, 生物圏環境部, 主任研究員 (80311322)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1999年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | TGGE / DNA抽出法 / 微細藻類 / 多様性解析 |
研究概要 |
自然界の微細藻類群集の多様性解析にTGGE法を適用するための基礎データを得ることを目的として、多様な微細藻保存株を用いて、DNAの抽出条件の検討を行った。その結果生物種によって細胞の破砕のされ方、すなわちDNAの抽出効率に差があり、広範囲の生物群を対象として野外試料からDNAを抽出する際には複数の細胞破砕法を併用する必要性が示された。一方、異生物混合サンプルからDNAを抽出する場合、強固な細胞を対象とするビーズ破砕法により、脆弱な細胞に由来するDNAの断片化がすすむことで、PCR反応が影響を受け、種の検出が困難になった。 北海道(温根沼)、愛知(知多)、沖縄(古見)の干潟環境で採取した砂泥サンプルについて、試験的に、DNA抽出(CTABのみのマイルドな抽出法)、PCRによるDNA断片の増幅(18SrDNAの約350bpの断片、ユニバーサルプライマーを使用)、TGGE法による解析を試みたところ、(1)珪藻類はいずれの地点でも認識され、(2)亜熱帯域の古見が最も多様性が高いことが示唆され、(3)同プライマーによる鞭毛虫類の検出の可能なことが判明した。知多では顕微鏡観察から24種の珪藻が確認されたにも関わらず、これらは単一バンド(すなわち単一種)として認識された。これは知多の珪藻群集が近縁種で占められており、解析した塩基配列の類似性の高さに起因すると考えられた。また温根沼では生物量が多いにも関わらず、DNAの回収率が低く、解析に大きく影響した。これはサンプル中に含まれていた大量の有機物と粘土による阻害が原因と考えられた。 鞭毛虫など顕微鏡では認知されにくい生物種の検出、更に特異性の高いプライマーによる特定生物群を対象とした精度の高い検出が可能であることが示されたが、サンプルの調整、プライマーの選定、DNAの抽出および回収率により、解析結果が大きく影響を受けることから、広範囲の微生物群集を対象とした多様性解析を行うには、更なる検討が必要であることが判明した。
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