研究課題/領域番号 |
11750031
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
表面界面物性
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
藤井 功 東海大学, 開発工学部, 講師 (60238524)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2000年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1999年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 超撥水 / フラクタル構造 / 結晶化 / X線結晶解析 / ジッティングドロップ / 核形成 / 界面化学 / 気相拡散 / タンパク質 / リゾチーム / シッティングドロップ |
研究概要 |
タンパク質などの生体高分子の結晶化に多用される蒸気拡散法では、生体高分子の液滴をシリコン・コートしたガラス表面に置き、結晶化させるのが一般的である。しかし多くの場合、液滴はぬれのためにガラス表面で広がり、複数の望ましくない結晶核の生成を促し、結果として得られる結晶のサイズが小さくなる。液滴を置く表面の撥水性が高くなれば、この問題を解決できる可能性がある。本研究では、フラクタル面によって発現される超撥水効果がタンパク質の結晶化にどのように影響するかを検討した。 フラクタル面を形成し、超撥水効果を示すことが知られているアルキルケテンダイマー等を用い、結晶化を行うガラス表面上にフラクタル面を形成させた。この面上に酵素の一種であるリゾチームを含む緩衝溶液の液滴を静置し、蒸気拡散法で結晶化させた。一方、現在一般的に用いられているシリコン・コート処理した面上でも同様の結晶化を行い、両実験結果を詳細に比較した。 フラクタル構造をもった超撥水面の純水に対する撥水効果は、通常のシリコン処理した面のものより顕著に高くなることが確認された。さらに、リゾチームを含む緩衝溶液の場合にも、結晶化の実験中を通して、その超撥水効果が充分に保持されることも明らかになった。このような撥水効果の向上により、結晶化の過程でタンパク質溶液の液滴がガラス面と接触する面積は最小限になり、ガラス面からの結晶核の成長は押さえられた。実際に、超撥水面を使って得られたリゾチームの結晶の数と大きさは通常のシリコン・コートを処理した面上で結晶化させた場合に比較し有意に変化した。前者の場合、生成する結晶の数は顕著に減少し、逆に結晶の平均的なサイズは顕著に大きくなった。本研究は、フラクタル効果による超撥水面が生体高分子の水溶液からの結晶化に極めて良好な影響を与え、実用的にも意味のあることを示した。
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