研究概要 |
1.今年度の研究経過および得られた成果 (1)ビームラインへの試作ゴニオメータの設置と動作確認:昨年度本研究費を使用して試作した単結晶専用の応力測定用ゴニオメータを,高エネルギー加速器研究機構放射光実験施設ビームライン3Aに取り付けて,動作確認を行った. (2)回折線測定条件の決定:ビームの集光条件など光学系の調整と,検出器の位置など測定系の最適化を行った. (3)負荷応力による装置の応力検定:短冊状のSi単結晶試験片に既知の負荷応力を与え,試作したシステムによる応力測定精度を検証した.その結果,実用上十分な精度で応力測定可能であることを確認した. (4)単結晶材料の応力集中部における応力分布測定:短冊状Si単結晶試験片の中央にφ400μm,深さ400μmの小穴を加工し,これに負荷することで,円孔近傍に,既知の応力集中を発生させた.円孔近傍の応力分布を試作システムによって測定し,これをFEM解析結果と比較して,局所的応力分布測定が出来ることを示した.なお,ビームの照射領域は,微小部測定の第一段階として30μmとした. 2.今後の予定 構築したシステムを,電子デバイス,マイクロマシン等の微小部応力測定に適用し,これらマイクロメカニカルデバイスの強度信頼性評価を行う.
|