研究概要 |
1.ゴム膜の気体透過量測定装置において,マノメータの位置測定を1時間以上行えるように改良した.その結果,ゴム膜を通した気体の拡散量は時間経過とともに減少していくことが確かめられた.最初気体変化量が大きく,その後徐々に減少することから,液体と同じくゴム材にも気体を含むことが出来,ゴム材内部の気体の濃度分布がゴム材の気体透過量に大きく影響があることが分かった.またゴム材の飽和気体含有量の測定は長時間における微小変化量の測定が不可避であることから,温度・気体の漏れの防止を考慮した実験装置の設計を行っている. 2.微小気泡含有ゴム材からの気体析出量をさらに精度良く測定するために,容器内径および油面反射方法を再検討した実験容器を製作した.しかし油面の反射光の位置変化を測定する方法では測定精度に限界があり,さらに精度良く析出量を測定するためには,光干渉法を利用する必要があることが分かった. 3.気体が溶解したときに生じる屈折率変化を調べるために,断面一様のアクリル製容器に気体を封入し,気体の溶解によって生じる光の曲がり量を測定した.その結果,時間が経過するとともに光の位置が変化することは確かめられた.しかし気体封入後2,3分に光のスポット位置が大きく変化する現象が見られた.この理由を解明するために,気体封入によって生じる油の温度上昇,容器の変形,及び油の帯電などについて検討を行ったが,原因を特定することは出来なかった.このスポット位置の移動は最初大きく変化するがすぐに元の位置に戻るため,気体封入後3分以降のデータを用いて気体溶解量と屈折率の関係を求めることにした.さらにマッハツェンダー干渉計を用いて,気体溶解時に生じる縞の移動から,気体溶解量の変化を求める手法について検討を行った.
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