研究課題/領域番号 |
11750126
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
流体工学
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
石本 淳 弘前大, 理工学部, 助教授 (10282005)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 液体ヘリウム / 超流動 / 混相流 / キャビテーション / 気泡 / 沸騰 / 極低温 / 複雑性 |
研究概要 |
極低温下において複雑性を有する超流動液体ヘリウム非平衡混相流の基礎流動特性および熱伝達特性の解明を目的とし、オリフィスを有する二次元鉛直円管内における液体ヘリウム沸騰二相流に関して、多流体モデルに基づく超流動性を考慮に入れた基礎方程式系の定式化を行うとともに数値解析による理論的検討を行い、以下の知見を得た。 (1)液体ヘリウム沸騰二相流におけるボイド率分布ならびに圧力分布の時間発展解を数値的に求めることにより、液相から気相への相変化の過程で液相から蒸発潜熱が奪われ液相温度がλ点以下となることによりHe IからHe IIへの相転移が生じ、特に高ボイド率領域においてはHe II生成に基づく流動特性の大幅な変化が発生することを明らかにした。 (2)液相から気相への相変化が顕著である高ボイド率領域においては、He IからHe IIへの相移転(λ転移)が促進され、さらに超流体の常流体に対する対向流が誘起されることにより液相圧力こう配が変化し、気相ダクトの全領域にわたって散在する分布となって現れることを明らかにした。 さらに、超流動液体ヘリウム管内沸騰二相流の可視化計測装置を設計・試作し、高速度ビデオカメラを用いた流動場の二次元的観測を行い、液体ヘリウムの相変化速度が液体窒素のそれよりもかなり大きいことを確認するとともに、管軸方向の二相圧力・温度分布を計測し、蒸気相発生に基づくHe IからHe IIへの相転移を含む基礎流動特性に関する詳細な知見を得た。また、二相化により生じた液体ヘリウムの蒸気泡流は非常に微細な球形状を有し、超微細気泡雲となってダクト内に停留しスリップ比の大きい流動場を形成することを確認した。
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