研究概要 |
1.平成11年度までに開発したイルカ形推進機構の試作2号機について,第1関節の角度振幅をこれまでの20゜から35゜に変更し,第1関節の角度振幅が推進速度および推進効率などにおよぼす影響を実験的に調査した. 2.遊泳実験の結果,第1関節の角度振幅が35゜の場合,最大推進速度は約1.9m/s,最大推進効率は約55%であった.昨年度までの角度振幅が20゜の場合には,最大推進速度は約1.9m/s,最大推進効率は約65%であったので,推進速度は角度振幅20゜と35゜の場合でほぼ同程度であり,推進効率に関しては角度振幅35゜の方が低いことが明らかになった. 3.角度振幅35゜の場合についても20゜の場合と同様に,第2関節のばね定数を様々に変化させ,ばね定数が推進効率におよぼす影響を実験的に明らかにした. 4.昨年度までに開発した境界要素法(パネル法)に基づく推進機構胴体および尾びれの三次元物体まわりの流れを解析する理論解析プログラムを用いて,推進機構胴体部に加わる非定常流体力分布を線形理論と比較した.その結果,流体力の時間変動の位相は線形理論とパネル法で同様の傾向を示したが,振幅に関してはパネル法の方が線形理論の約1/2程度の低めであり,線形理論は胴体に加わる流体力を大きめに見積もる傾向があることがわかった.
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