研究課題/領域番号 |
11750268
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
秩父 重英 筑波大学, 物理工学系, 助教授 (80266907)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 窒化物半導体 / 立方晶窒化物 / InGaN混晶 / 組成不均一性 / 局在励起子 / 量子井戸 / フォトルミネッセンス(PL) / 時間分解PL / フォトルミネッセンス / MBE |
研究概要 |
1.有機金属化学気相エピタキシー(MOVPE)および分子線エピタキシー(MBE)法による立方晶InGaN成長 MBEではRFプラズマ源を用いて3C-SiC/Si基板上に立方晶GaNを成長させ、それをバッファとして立方晶InGaN及びInGaN/GaN量子井戸構造を成長した。MOVPE装置の立ち上げ作業も終焉を迎えた。得られたInGaN膜および量子井戸は下地のGaNのコヒーレントに成長していることが確認され、歪InGaN層のInNモル分率は最大20%近くまでを制御して成長できた。しかしながら組成の不均一性は大きかった。フォトルミネッセンス(PL)発光スペクトルは、InNモル分率の増加に伴ない紫外域から純青・緑色領域を越して黄緑色程度まで及んだ。 2.フォトルミネッセンス・フォトリフレクタンス・時間分解フォトルミネッセンス等の光学的物性評価 PLスペクトルとPL励起スペクトルから、InNモル分率の増加に伴ない有効バンドギャップ不均一性も増大することが確認された。そのストークスシフト量は六方晶のそれに匹敵ないしはそれより大きい。立方晶構造では六方晶構造で問題とされる圧電電場による電子-正孔の波動関数の重なりの減少は無い。したがって、これらの結果から励起子が局在している事が伺える。 時間分解PL測定からも、強い局在を示す、検出波長の増加にともなう再結合寿命の増加が見られた。立方晶材料六方晶材料に比べ非発光再結合が強いが、温度の増加にともなう非発光再結合寿命の減少自体は顕著ではなかった。六方晶InGaN量子井戸において空間分解カソードルミネッセンス測定から数十nm以下のスケールでの組成変調が認められており、拡散長を短くしてキャリアを局在させ、発光効率の増大に寄与したものと考えている。バルクInGaNでも量子井戸でも局在は観測されており、励起子の局在はInGaN材料におけるユニバーサルな現象といえる。
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