研究課題/領域番号 |
11750269
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
津川 和夫 早稲田大, 理工学部, 助手 (50308201)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | ダイヤモンド / 水素終端表面伝導層 / 表面チャネル / 電界効果トランジスタ / MESFET / MISFET / 相互コンダクタンス / 量子輸送モデル |
研究概要 |
ダイヤモンドは、ブレークダウン電界、熱伝導率、キャリア飽和速度、キャリア移動度等が大きいため、ハイパワー、高周波、高集積におけるデバイスの性能指標が他の半導体と比較して著しく高い。研究代表者らは、完全性の高い水素終端ダイヤモンド単結晶表面に、Si-MOSFET反転層やAlGaAs/GaAsヘテロ界面の10倍以上の表面キャリア密度で、かつ表面から5nm以下の浅い分布をもつp型表面伝導層が発現することを明らかにした。この表面伝導層ソース、ドレインおよびチャネルにもちいて、電流駆動能力がSi-MOSFETを超える可能性のある新型のダイヤモンド表面チャネル型電界効果トランジスタ(FET)を開発している。本年度、本研究において以下の成果が得られた。 高精度化した電子ビームリソグラフィ装置をもちいた、セルフアラインゲート作製プロセスを開発した。これにより、ゲート長1μm以下のFETを作製することが可能となった。このプロセスをもちいてゲート長1μm以下の金属-半導体(MES)FETを作製し、100mS/mmを超える相互コンダクタンスが得られた。さらにゲート絶縁膜として、酸素によって水素終端表面を破壊しないCaF_2をもちいた、金属-絶縁物-半導体(MIS)FETの作製プロセスを開発した。これによりゲート長1μm以下のMISFETを作製し、100mS/mm近い相互コンダクタンスが得られた。 ダイヤモンド表面チャネル型FETの5nm以下という極薄のチャネルにおける、キャリア閉じ込め効果を考慮して、量子輸送モデルをもちいたデバイスシミュレーションを行った。その結果、デバイス内のキャリア分布は古典モデルの場合と大きく異なるものの、MESFETにおいて直流特性は古典モデルにほぼ一致することがわかった。また、MISFETにおいては古典モデルより相互コンダクタンスが大きくなる傾向が観られた。
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