研究課題/領域番号 |
11750285
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子デバイス・機器工学
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
荒川 太郎 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (40293170)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1999年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 5層非対称結合量子井戸 / 量子ドット / 光変調器 / 光スイッチ / 電界誘起屈折率効果 / 分子線エピタキシー / MEE法 / ポテンシャル制御量子井戸 / 光変調デバイス |
研究概要 |
本研究では、分子線エピタキシー(MBE)法により量子ナノ構造、特に量子井戸や量子ドット構造を作製し、それらの超高速光変調器への応用可能性を探ることを目的としている。 本年度は、(1)Migration Enhanced Epitaxy(MEE)法による高品質GaAs量子井戸構造の作製と光学的評価、および(2)InAs自己形成量子ドットの作製、(3)InGaAs-5層非対称結合量子井戸(FACQW)の電界誘起屈折率効果の理論的検討、を行い、以下の結果が得られた。 (1)MEE法におけるAlGaAs成長の原料供給方法について検討を行い、はじめにAlとAs原子を同時供給した後、GaとAsを交互供給することで、平坦か組成比の均一性の高薄膜が得られることを見出した。 (2)(1)の原料供給方法を用いたMEE法により、通常のMBE法における成長温度よりも約100℃低い500℃にて、高品単一矩形量子井戸(RQW)を作製することに成功した。 (3)多重矩形量子井戸(RQW)およびFACQW試料を作製した。フォトルミネセンス法、光吸収電流法により評価を行い、量子閉じ込めシュタルク効果(QCSE)の観測した。その結果、設計通りの構造が作製されていること、および電界誘起吸収係数変化の傾向が理論に一致していることを確認した。 (4)自己形成InAs量子ドット構造を作製条件の最適化を図った。その結果、直径20〜30nm、高さ8nm、高密度(1〜2×10^<11>/cm^2)の量子ドット構造の作製に成功した。 (5)InGaAs/InAlAs-FACQW構造の最適化シミュレーションを行った。その結果、GaAs/AlGaAs系と同様、巨大な屈折率変化が得られる構造を見出した。また、層厚ゆらぎが生じた場合の特性劣化について検討を行い、各層厚が±1ML(分子層)揺らいでも、電界誘起屈折率変化量は、本来の値の約半分程度にまでしか低下しないことが判明した。
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