研究課題/領域番号 |
11750321
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
情報通信工学
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
杉浦 彰彦 豊橋技術科学大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40235867)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 適応情報割当 / 知的符号化 / 焦点ボケ / ボケ量推定 / ディジタル画像 / MPEG / 情報圧縮 / 符号化変調 |
研究概要 |
本研究では「情報発信者の意図」を考慮した知的符号化方式を提案した。具体的には、画像中に見られる合焦領域とボケ領域に着目し、前者部分は発信者の意図が大きく、後者部分は発信者の意図が小さいものと推測する。つまり、画像中の焦点ボケ量から情報発信者の意図の大小を推定し、それに応じた適切な情報量割当や動き補償を行うことで、より能率的な符号化を実現する。現行方式では入力画像を信号として扱い、統計的な性質や人間の視覚特性を利用して符号化するが本方式では画像を情報として扱い、発信者の意図を推定することで知的符号化を実現する。なお、本方式は現行の符号化方式に付加するかたちで適用できる。 平成12年度の実験では、適応情報割当の最適化手法について中心に評価した。また受信者の視覚特性を考慮した、違和感の少ない適応情報割当法についても検討した。さらに、実験では偏自己相関係数の分析次数毎に、視覚的なボケ認識と合致する最適な重みをもたせ、焦点ボケを定量化する。加えて、動画像の動きの速さ(動ベクトル量)を考慮した情報量割当を行い画質を評価した。何れの実験においても、符号化時に数段階の重み係数をもたせ、それぞれを変化させ合成した画像のSN比を測定し、概ねの傾向を判断した。これにより10種類程度の有力な重み係数を見いだし、最終段階として視覚試験により最適値を決定する。評価では、重み付けの段階を増やす必要があるか評価すると同時に、2つ以上の重み係数を単純に積算することが妥当であるか確認した。さらに、本方式の新しい利用形態について検討した。例えば話者に焦点調節されたTV電話において、プライバシーの観点から自宅内の背景をぼんやりとした風景にしたり、または焦点ボケ領域を削除してまい、別の風景を挿入したりすることも可能となった。これはボケ領域の重み係数を0にしたことに等しく、大幅な情報削減が期待できる。
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