研究概要 |
本研究は,ITS車車間通信ネットワークの実現に向けて,特にその信号伝送方式に焦点をあてて行っている.車車間通信ネットワークでは,全体を統制する専用の制御局が存在しないため,各車が発射する電波の干渉(混信)が信号伝送上の最大の課題となる.本研究では,車車間通信ネットワークに適した信号伝送方式,特に周波数の利用効率を改善するマルチユーザ受信技術を前提に最適アクセス方式について研究を行っている. 12年度における研究成果は以下の通りである. ・アクセス方式として時分割通信を仮定した場合に問題となる周波数,スロット割り当て方式について研究を行い,自律分散型アルゴリズムを提案し追い越し,合流等にも対応できることを明らかにした. ・車両間時刻同期方式について研究を行い,相関の電力和を計算するアルゴリズムによって,非常に精度の高い同期が行えることを明らかにした. ・ITS車車間通信の伝送実験を行い,基礎的なデータを得た.これによると,特に市街地では電波の到達範囲が不足する傾向にあり,マルチホップ中継機能,又は,電波の飛距離を延ばす対策が必要であることが明らかになった.
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