研究概要 |
曲線・曲面要素を抽出する入力データとして,以下の様な形状を計測しその分析を行なった. 1)グラフィックスデザイナの描いた作品の平面曲線 2)ヒトや動物などの自然造形物の曲面 1)はA0ディジタイザ(セイコーインスツルメンツ(株),DH-95X3)を用いて計測し,結果を0.25mmピッチの2次元点列で保存した.そして,点列をスプライン関数に当てはめ,スプラインに節点位置から曲線のセグメンテーションを行ない,曲線要素を抽出した.具体的には,実数を遺伝子とした遺伝的アルゴリズムを用いて,この問題を解く方法を提案した.本手法は,データの元にある関数がなめらかなデータは無論のこと,不連続なところや尖ったところがあるデータも扱うことができた. 2)はパイプレインX線心血管造影装置(Siemens,BICOR)を用いて,複数方向から左心室内腔の2次元投影画像を撮影した.これらの画像から左心室内腔の輪郭を抽出し,既知周期で時間変化する3次元形状をスプライン関数を用いて再構成した.そして,この手法を臨床の現場に適用できるようシステム化を行った.複数のオペレータによる再構成結果を評価し,本システムはそのばらつきが少く,安定に動作することを示した.さらに複数の臨床例を用いて,多視点から輪郭情報を統合することの有効性を示した.これらの研究をまとめて,IEEE Transaction of Medical Imagingに投稿した.現在査読のコメントに対する回答中である.
|