研究課題/領域番号 |
11750354
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
システム工学
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
中島 弘之 近畿大学, 工学部, 助教授 (90227801)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | カオス / 制御 / 数値解析 / 遅延フィードバック / 探索 / 状態予測制御 / 力学系理論 / 常微分方程式 / 最適化 |
研究概要 |
本研究は、カオス現象の工学的応用に関する最重要テーマとして研究されてきた「カオス制御」の手法を、微分方程式および最適化問題の求解などの数値解析手法に応用することを目的として、2年計画で遂行した。平成12年度は、前年度に引き続き、カオス制御の手法の一つである「遅延フィードバック法」を非線形常微分方程式の不安定周期軌道の探索に利用する手法の開発に重点をおき研究を進め、以下に要約するような成果を得た。 1.従来の遅延フィードバック制御には「1を超える実特性乗数を奇数個もつ不安定周期軌道は安定化できない」という「奇数条件の制約」と呼ばれる欠点があり、周期軌道の探索への応用においても大きな障害であった。この問題を解決するため、むだ時間制御理論における「状態予測制御」の手法を連続時間系の遅延フィードバック制御に適用することを試みた。理論的解析の結果、ごく一般的に成立する条件の下で、奇数条件による制約が解消されることを証明し、さらに計算機実験によってこれを確認した。これにより、遅延フィードバックを用いた周期軌道の探索能力も向上する見通しが得られた。 2.上記1.の状態予測を用いた遅延フィードバック制御の詳細な安定解析を行ない、むだ時間システムおよび時変係数線形システムの理論によって、安定条件がほぼ完全に導出できることを示した。これにより、上記探索手法の理論的基盤が確立した。 3.上記2.の安定条件が離散時間系の動的遅延フィードバックおよび予測ベースフィードバックの安定条件と等価であることを示した。これにより、状態の遅延誤差に基づく制御法の統一的な解析法を確立する見通しを得ることができた。
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