研究概要 |
本研究では.被写体の表面の模様に依存せず,しかも計測環境に左右されない自動距離計測システムの開発が目的であるため,単眼視法を用いた距離計測法を採用している.本手法における距離計測法として,レンズ固定でCCD移動によって焦点合わせを行なう単眼カメラを提案し高精度な距離計測システムの開発とその応用に関する研究成果を発表している.従来の焦点合わせ法ではCCD固定でカメラまたはレンズを移動する方法が採用されていたが,これらの方法を用いて取得された画像の視野はレンズ位置あるいはカメラ位置によって異なる.レンズ公式と複数枚の合焦点画像を用いる距離計測法では,取得されたすべての画像の視野を同一に補正する必要があるが,従来の方法では理論的に高精度な補正が困難であることから,本研究ではレンズを固定しCCDを移動する方法を新しく提案している.また,本手法では,得られた画像系列中から焦点の合っている画像を抽出し,距離計測を行う方法を採用しているため,距離制度は焦点合わせの精度に依存する.そこで,高精度に焦点合わせを行なうための評価規範についても提案している.焦点合わせの際に用いる小領域の大きさを一定にして距離計測を行なった場合,小領域の大きさによって計測精度が低下する.そこで,小領域の大きさを課可変にするアルゴリズムを提案することにより,自動距離計測システムの計測精度を向上させることが可能になっている.本距離計測システムの1つの応用として,普通の光学系では実現困難な3次元対象物のすべての部分に焦点が合っている全焦点画像の作成方法を提案し,その全焦点画像と計測された距離情報を用いて歪みのない曲面展開画像を作成,その曲面展開画像と距離情報から精度よい3次元モデリング,曲面展開画像から文字認識を可能にしている.ただし,文字認識に関してはより高精度な手法を開発中である.
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