研究概要 |
部分的コヒーレント光を利用した光トモグラフィの確立を目指し,昨年度は,部分的コヒーレント光源によって非整数次フーリエ面に形成される光の場(部分的コヒーレント光非整数次フーリエ場)に関して,特に,次数が互いに異なるフーリエ場間のコヒーレンス特性について詳細に解析を行った.今年度は,本解析結果の光トモグラフィへの応用を目指し,1.非整数次フーリエ変換を利用した結合変換相関器の小型化に関する研究,および2.生体内画像診断法である光干渉トモグラフィ(Optical Coherence Tomography:OCT)に関する基礎的検討を行った. これらの研究により,1に関しては,フーリエ変換を利用した従来の結合変換相関器に比べ,非整数次フーリエ変換を利用した相関器では小型化が可能であることを示した.さらに,小型化を実現するための光学系の条件,すなわち非整数次フーリエ変換の次数に関する条件を明確にした.一方,2に関しては,生体内画像診断では避けて通ることができない強散乱媒質である皮膚組織を解析対象とし,皮膚組織内における光の伝搬の様子をモンテカルロ法に基づいた数値解析を行い検討をした.その結果,OCTにより診断することが可能である皮膚厚さについて明確にした. 以上の研究成果を踏まえ,今後も,部分的コヒーレント光整数次フーリエ場を利用した光トモグラフィの手法の構築を目指す.
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