研究概要 |
本研究の期間内に行った研究の結果以下の結果が得られた. 1.従来提案されてきたFiltered-X LMSアルゴリズムの畳み込みの計算を周波数軸上で展開することにより大幅な計算量削減の効果が得られた. 2.アルゴリズムによりフィルタ係数を更新する際に用いるステップサイズパラメタの設定に置いて,周波数によらず一定値にするよりも,周波数の2乗あるいは3乗に比例するように設定すると,フィルタ係数の収束が早く行われる傾向があることが分かった.この理由については,なお解析的な研究を進めていく必要がある. 3.振動インテンシティを観測する手法として直接差分法の2点,3点,4点を混在して組み合わせる方法を検討した.その結果,帯域ごとの制御量が向上し,より少ない計算量で次回のフィルタ係数を決定できることを明らかにした. 4.Filtered-X LMS法における畳み込み参照信号を単純遅延に置き換えたDelayed-X LMS法を適用する試みを行ったが,モデリングエラーが大きいために制御効果が得られなかった. 以上,アルゴリズムの改善,設定パラメタの検討,各種手法を取り入れた効率化を図り,振動インテンシティ制御に関する高速化を実現することができたといえる.
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