研究課題/領域番号 |
11750404
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
制御工学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
田中 玲子 慶應義塾大学, 理工学部, 助手 (50306875)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 群論的対称性 / 分岐理論 / パターン生成 / 対称性の破れ / 非線形結合振動子系 / 均質材料 / 対称システムの可制御性 / 群論的対称性を有するシステムの数理解析 |
研究概要 |
本年度は、質的変化がパターン生成として現れる場合に着目し、「群論的対称性に基づく分岐理論」を用いた解析を進めた。具体的には、(1)何らかの変形や加重を受ける均質材料に現れるパターン、(2)非線形対称結合振動子系において現れる振動同調パターンの二種類について、その数理メカニズムを対称性に基づいて明らかにした。 均質材料におけるパターン生成は、「ある変形形態が不安定化することによって新たな変形形態が形成される」という分岐現象として捉えることができる。そこで、このような一連の現象を、材料の物性のみによるものでなく、分岐現象の繰り返しによる「対称性の破れ」によるものであると考え、その数理的メカニズムを解明した。特に、3次元の物質(岩石など)にあらゆる方向から力が加わった場合にどのような空間パターンが現れるのかを、対称性の破れに基づいて解析した。具体的には、 1.3次元各方向に関する並進対称性に着目し、対称性の繰り返し崩壊により得られる分岐パターンを明らかにした。特に、対称性のみに着目して、構造的に可能なパターンを数理的に求め、1次分岐/2次分岐で現れるパターンを明らかにし、空間パターンの解析手法を提示した。 2.1.で得られた結果から、コンピュータシミュレーションによりパターンを再構成した。 3.実際に材料や地層に現れるパターンの資料を収集し、それらと2.の結果を比較検討し、解析の検証を行った。 以上の成果は学術論文として投稿中である。また、非線形対称結合振動子系の同調パターンについても、対称性のみに基づいた解析で得られた全ての同調パターンを粘菌を用いた実験において確認した。この成果は国際学会で発表し、多くの研究者から関心を寄せられた。また、学術論文として投稿中である。
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