研究概要 |
本年度は,変位場・境界条件取得システムならびに取得情報画像処理システムの効率の向上,境界条件取得の精度向上を目的とした.前年度は解像度の要求を満たすために銀塩写真を用いたので,効率が犠牲となってしまったが,本年度は時間軸での平滑手法を取り入れ,ピクセル以下の変位を内挿により取得する手法を用いることで,デジタルビデオカメラを使用した画像解析を行うことが可能となった.これにより,実験終了後直ちに変位場を取得することが可能になり,実験の効率が飛躍的に向上した.境界条件取得精度の向上を目的として,前年度用いたラバーフォームの欠点を克服するため,本年度は供試体を風船状のチューブで覆う方法を考案した.空気圧を測定することで,境界条件を得ることができると同時に,一様な圧力を与えることができるため,逆解析の精度向上に貢献した.構築したシステムを用いて、トンネル変状に伴う地山の応力状態の変化を想定した実験を行い、等価介在物法を用いた逆解析を行った。その結果,地山の不均一性を反映した応力状態が得られ,本手法の有効性が示された.本手法の実用化の可能性が示唆されたため,特許申請を行った.また,前年度は単軸載荷において,データベースを用いた数値解析に向けた基礎研究として、簡単な弾塑性構成則に基づくデータベースを用いた有限要素解析が実行可能であることを確認したが,本年度は2次元問題にも適用可能であることを確認した.
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