研究概要 |
都心部においては,公共輸送機関が一定程度整備されているが,アクセス/エグレスの不十分さから十分には活用されていない例が多い。自動車(マイカー)と公共輸送機関の間の選択・転移にはアクセス・エグレスの条件,例えば端末のバスサービスの頻度,料金やバス停まで/からの歩行距離等も大きな影響力を持つが,それらサービス水準は,高密度に諸機能が集中している都心部においては相互に関連を持つ。したがって都心部の交通マネージメントの効果を予測・評価するには,人の動きに着目して,都心部において利用可能な全ての交通機関を総合的に取り扱う予測モデルシステムが必要である。 本研究で構築するシミュレーションシステムは,リンクを街区単位で構成して都心地区の詳細な交通流動を表現する。 平成11年度には次の事項の研究を行った. (1)シミュレーションシステムの構造整理 (2)パフォーマンスサブモデルの構築 (3)GIS上へのシステム構築 上記の成果を踏まえて平成12年度は以下の研究を行う予定であった. (4)モデルのキャリブレーション ケースタディエリアの交通流動の状況を観測したデータを収集し,モデルのキャリブレーションと再現性の検証。 (5)データ管理構造,入力インタフェースの改良 評価対象期間,地域に対応して必要かつ十分な詳細度のバーチャルネットワークを容易に得ることのできる柔軟な構造をもつネットワークデータ管理データベースを構築。 しかし、研究代表者の海外研修のため、平成12年8月をもって研究廃止となり、(4)に掛かる事前準備・関連資料収集を行うに留まった。
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