研究概要 |
従来の土地利用・交通モデルに関する計量分析においては、1つの都市圏を数個から数十個のゾーンに区分して、その単位で分析を行うことが一般的であった。しかし、都市計画においては、より詳細な立地や交通の空間分布が問題となる局面が非常に多い。例えば、幹線道路沿線の人口分布やその環境状況、あるいは、ある地点から最寄り駅までの距離が鉄道整備効果に与える影響などが挙げられる。このような場合、ゾーン単位の分析では粗すぎて役に立たないことが多い。それに対して、個々の立地主体の動きをその属性変化に応じて動的に追跡する「マイクロシミュレーション」という予測手法が提案されている。GIS(地理情報システム)は、土地に立地する建物の位置、形状、更に、土地や建物の持つ固有の属性を情報として与えるものである。また、情報の追加や更新が容易であるため、建物の立地などを分析する際に有効なツールとなり得る。 本研究の目的は名古屋都市圏を対象に、環境負荷を最小とし、景観などを考慮した街作り、つまり持続発展可能な街作りの計画支援を目指して、法制度と先端技術の融合を目的に行う。そのため、GISデータベースを用いて近未来環境共生型都市マイクロシミュレーションシステムを開発する。更に、建物の更新によるライフスタイルの変化や生活空間の環境評価を行う。 本年度は,以下に示す検討を行った. (1)名古屋都市圏地理情報データベース・解析システムの開発 (2)地理情報・CGビジュアライゼーションシステムの開発 (3)都市景観評価における合意形成のためのGIS,CG及びWWWの統合
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