研究課題/領域番号 |
11750501
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
建築構造・材料
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
楠 浩一 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (00292748)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | サブストラクチャ・オンライン地震応答実験 / 可変時間刻み法 / 制御誤差 / 多自由度応答 / 実験手法 / アクチュエータシステム |
研究概要 |
サブストラクチャ・オンライン地震応答実験は、弾塑性地震応答解析において、各ステップで計算される応答変形量に対し、応答に大きな影響を与える部材あるいは履歴特性が不明な部材はその変形量を実際に加力実験から得、その他の部材は計算機の中で数学モデルを用いて計算し、両者の復元力を計算機内で結合し、次ステップの変形量を計算する実験手法である.振動大実験に比べて、試験体を大きく出来る等の利点があるが、加力に用いるアクチュエータシステムにおいて制御誤差が生じ、その制御誤差が応答計算結果に大きな影響を与えることが知られている.その制御誤差を低減する方法として、制御誤差を低減するよう時間刻みを各計算ステップで変化させる可変時間刻み法を開発した. 本年度は、H100-100-6-8、h=573.5mmの鉄骨を建物の層特性と仮定し、2層建物のサブストラクチャ・オンライン地震応答実験を実施した.パラメータはA/Dボードの分解能、実験対象階、および可変時間刻み方の有無とした.まず、1・2層共に実験対象階とし、12bitのA/Dボード分解能を用いた実験結果を精解と仮定すると、1階のみを実験対象とし、2階に数学モデルを用いたサブストラクチャ・オンライン地震応答実験結果は,A/Dボード分解能を12bitとするとほぼ精解と一致したが、8bitでは制御誤差の影響で応答は大きく増幅された.しかし、12bitでは加力時間が11時間であったのに対して、8bit試験体では3時間20分と大きく短縮された.それに対して、可変時間刻み法を用い、かつA/Dボード分解能を8bitとした実験結果では、12bitの実験結果とほぼ一致し、かつ実験時間は約4時間となった.この結果から、可変時間刻み法は、実験精度を落とさずにアクチュエータシステムの精度を現実的な加力時間となる程度まで低減するために非常に有効な手法であることを明らかにした.
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