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酸化物ガラスのヤング率と熱伝導率に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 11750642
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 金属生産工学
研究機関九州大学

研究代表者

藤野 茂  九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 助手 (10304833)

研究期間 (年度) 1999 – 2000
研究課題ステータス 完了 (2000年度)
配分額 *注記
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード酸化物ガラス / 熱伝導率 / 比熱 / 熱拡散率 / ヤング率 / 音速 / 平均自由行程 / デバイ温度 / 組成パラメータ / 解離エネルギー / ガラス構造
研究概要

比熱と熱拡散率をそれぞれ測定し,両者の積より熱伝導率を算出した.熱拡散率はレーザー・フラッシュを用い,JIS R1611に従って測定した.比熱測定には光照射型ACカロリメトリーを用いた.これまで,ガラスの比熱測定にACカロリメトリーを適用した例はない.そこで,この方法を用いて精度良く測定するための測定条件を検討した.その結果,試料厚さ120±5μm,周波数2.0Hzで測定すれば,繰り返し測定による誤差が±1%以下,文献値からのずれが最大5%のデータを得ることが出来ることを明らかにした.
熱伝導率とガラス組成の関係を評価できる組成-物性推定式を検討した.熱伝導率は気体自由運動論より平均自由行程,音速および比熱の積で表すことが出来る.したがって,これら3者を組成の関数として表すことが出来れば,熱伝導率とガラス組成の間に成り立つ関係式を得ることが出来る.我々はこれら3者と組成の関係をそれぞれ調査し,現在までに以下の結果を得ている.
熱拡散率を用いて室温の平均自由行程を求めた.これが平均原子量と密度から算出される最隣接イオン間距離の実数倍で与えられ,この時の実数がガラス系ごとでほぼ一定の値を取ることを明らかにした.ガラス中を伝わる音速は,ヤング率と密度から求まる比ヤング率に比例した.一方,ヤング率はイオン充填率と解離エネルギーを用いて組成より既に計算できるため,これを利用し音速を組成より計算できる推定式を提案した.比熱Cpをデバイ温度Θにおける比熱Cp_Θで規格化した換算比熱Cp/Cp_Θと温度Tをデバイ温度で規格化した換算温度T/Θでプロットすると,室温からガラス転移温度以下の範囲で,組成に依らず1つの曲線上に乗り,酸化物ガラスの比熱がデバイ温度とデバイ温度における比熱の2者に支配されることを明らかにした.このうちデバイ温度は音速より求まるため,先述した音速推定式を利用し,デバイ温度を組成より計算できる推定式を提案した.現在,デバイ温度における比熱と組成との関係を検討している.

報告書

(2件)
  • 2000 実績報告書
  • 1999 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 稲葉誠二,戸高信一,太田能生,森永健次: "アルミノケイ酸塩系ガラスのヤング率,剛性率およびビッカーズ硬度の推定式"日本金属学会. 64・3. 177-183 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] Seiji Inaba,Shigeru Fujino and K.Morinaga: "Young's Modulus and Compositional Parameter of Oxide Glasses"Journal of American Ceramic Society. 82・12. 3501-3507 (1999)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書

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公開日: 1999-04-01   更新日: 2016-04-21  

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