研究課題/領域番号 |
11750654
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学工学一般
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
木原 伸一 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (30284524)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2000年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1999年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 数値シミュレーション / 有限要素法 / 高分子ブレンド / 相分離 / 相構造発展 / 粘弾性流体 / 相混合 / 界面 |
研究概要 |
平成11年度において一部開発した、三次精度のエルミート補間を用いたGalerkin有限要素法による二次元矩形要素内の相構造発展に関するプログラムの修正と開発を行った。修正Cahn-Hilliard方程式および粘弾性構成方程式の移流項には流線上流型解法を用い、非線形項はNewton-Rapson展開により線形近似し、時間についてはθ法を用いて離散化を行った。粘弾性応力は、高分子成形加工においてよく用いられているGiesekusモデルに相溶性の混合系の線形粘弾性を比較的よく表現するTschoeglの混合則を用いて局所の平均値として求めた。数値解析に用いた物性値は、汎用性を考慮してポリエチレンとポリスチレンの混合系を考慮した物性値を用いた。初期組成は静置時に相が不安定になるように設定し、その後の相の変化をシミュレーションした。 結果として静置条件下では、相構造の大きさは初期に与えた組成配置や濃度の揺らぎに強く依存し、解析領域の大きさに強く依存することが分かった。一方、平成11年度に開発した差分法を用いた場合の結果と比較してドメインの大きさの時間発展を示す相関係数が小さく、有限要素法を用いた場合の方がドメインの成長が遅いことなど解析方法により解が異なる結果となった。単純剪断流動を負荷した場合、粘弾性応力の不安定性および数値解手法の問題で相構造が外部変形により変化する前に解の発散が生じ、十分な解が得られなかった。発散の原因は界面自由エネルギー勾配係数とFlory-Hugginsの混合自由エネルギーの急激な組成依存性があげられ、これら項を数値解析に適するような近似式に置き換えることが今後必要であると考える。尚、当初予定した非等温化への拡張および成形加工プロセスへの適用は計算手法の検討に時間を費やしたため十分には達成できなかった。
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