研究課題/領域番号 |
11750667
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
反応・分離工学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
佐藤 博 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 講師 (60283743)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 超微粒子 / 逆ミセル / 液液抽出 / 高濃度 / 半導体 / 金属硫化物 / 晶析剥離 |
研究概要 |
逆ミセルのナノメートルサイズの内水相を反応場として、粒子径分布が狭く、かつ平均粒子径が制御された超微粒子を調製できる。内水相で反応を進行させるため、水溶性の反応物が一般的に用いられるが、内水相への可溶化量に限界がある。粒子の生産性は可溶化量により制限され、逆ミセル法の工業化に際しての大きな障害である。一方、溶媒抽出法は対象物を抽出剤との錯体形成反応を利用して水相-有機相間を移動させることを基礎とする分離技術である。この溶媒抽出法を逆ミセル系への高濃度反応物の供給手段として利用することを検討した。 対象粒子は主に金属硫化物半導体超微粒子とした。金属イオンを水溶液から有機溶媒へ抽出剤を用いて移動させ、続いて界面活性剤を加えて逆ミセルを形成させる。最後に硫化物イオンを供給して粒子調製を行った。 まず粒子調製に適した抽出剤の選定条件を明らかにした。酸性抽出剤とキレート抽出剤を対象に検討し、錯体が高度に安定化されている場合には硫化物イオンと金属イオンの反応が進行せず、粒子が生成しないことを明らかにした。弱い酸性抽出剤が最適であった。 次に粒子生成機構を解析した。粒子成長の速度は抽出錯体からの金属イオンの脱離速度で決まること、脱離速度が小さい場合には粒子成長期間が長くなり生成粒子径が増大することを明らかにした。また、有機相-内水相間の物質移動は充分高速で、粒子生成反応を阻害しないことも示した。 そして高濃度の粒子調製を行い、このプロセスの高効率性を確認した。抽出条件の最適化と硫化物イオンの供給に気体の硫化水素を用いることにより、一般的な条件の100倍、0.02Mの濃度で安定な硫化カドミウムおよび硫化亜鉛の超微粒子を得ることができた。
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