研究概要 |
昨年度までに、高表面積な超微粒子ジルコニア-セリア固溶体担持NiO触媒は低温も活性が高く、生成ガス組成の分析より、部分酸化反応がメタンの燃焼の後、改質反応が起こったことを報告した。したがって、メタンの燃焼反応の低温活性化が重要な課題となる。 そこで本年度は、燃焼活性の高いPdO触媒を用いて、低温での燃焼活性の向上の効果を検討した。セリア濃度の異なる高表面積セリア-ジルコニア固溶体に1.2wt%のPdOを担持すると,PdOの粒子径は,4nm程度でほぼ同じ大きさであったが,メタンの燃焼活性は大幅に異なった。還元後にCOを吸着させたFTIRスペクトルより,Linear型吸着CO種およびBridge型吸着CO種が観測されたものと,Bridge型吸着CO種のみが観測されたものに分けられた。L型とB型吸着CO種が観測された触媒の活性は高かった。この担体に11wt%のPdOを担持した触媒は,30,000l/kgLの流速条件で,メタンをほぼ完全に燃焼した。300℃でのMSR(単位Pd重量あたりのメタン燃焼速度)とPd粒子径の関係より,5〜20nm程度の粒子径を持つ高活性な触媒の燃焼速度は,表面のPdサイト数よりむしろ粒子全体のPd量に依存したことを見いだした。 さらに、超微粒子Cu/ZnAl_2O_4系触媒を用いて、低温でCOのシフト反応で水素を製造し、COを除去する反応を検討し、従来の沈殿法の活性を上回る触媒活性を示すことを見いだした。
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