研究課題/領域番号 |
11750680
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
触媒・化学プロセス
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研究機関 | 崇城大学 |
研究代表者 |
後藤 浩一 崇城大学, 工学部, 講師 (30279377)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | カリックスアレーン / 有機触媒 / アミノ酸 / 加水分解反応 / エステル化反応 / 包接錯体 / 不斉認識 / 加溶媒反応 / 酸触媒 / 包接化合物 |
研究概要 |
本研究では、マクロ環状化合物の一つであるカリックスアレーンの有機触媒としての可能性に着目し、カリックスアレーンを触媒として用いる新しい不斉反応系の開発を目的としている。まず、カリックスアレーンの触媒としての機能を検証するために、p位にスルホン酸基を有するカリックスアレーン(Calix-SN)を用い、種々のL-アミノ酸(Ala、Leu、Phe、His、Tyr、Trp、Lys、Arg)あるいはそのエステル基質の加溶媒反応(加水分解反応、エステル化反応(メタノーリシス))における反応特性ついて速度論的に検討した。アミノ酸エステル基質の加水分解反応では、Calix-SN存在下、Ala基質以外の殆どの反応で反応速度の低下(負の触媒作用)が観測され、一方、アミノ酸基質のエステル化反応ではHis、LysおよびArg基質の反応速度が顕著に増大し、塩基性アミノ酸基質に対する特異的触媒作用が明確になった。さらに、^1H-NMR測定からはCalix-SNの触媒機能の発現が基質との包接錯体形成に由来していることが示され、カリックスアレーンの有機触媒としての有用性を明らかにするとともに、天然酵素類似の高選択的なカリックスアレーン触媒の開発の可能性を示した。現在、次のステップとして、不斉識別能を有するカリックスアレーン触媒の合成を試みている。環状構造体であるカリックスアレーンにp-置換基を非対称的に円配列することにより不斉認識機能を付与することが可能と考え、多段階合成法による置換基の導入を行っている。得られたキラルカリックスアレーンを用い、D(L)-アミノ酸をエナンチオマー基質とする不斉反応における触媒機能について検討する予定である。
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