研究課題/領域番号 |
11750687
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物・生体工学
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研究機関 | 北陸先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
村上 裕二 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助手 (70272995)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | μTAS / 希釈 / キャピラリー電気泳動 / Lab-on-a-chip / PDMS / バイパス構造 / オンチップCE / エンザイムイムノアッセイ / アイソザイム分析 / アルカリフォスファターゼ / ポイントオブケア検査 |
研究概要 |
近年、医療、環境、食品、計測などの分野で、その場で分析が行える装置が求められている。そのような装置の実現には小型化、迅速化、簡便化が不可欠である。半導体微細加工を用いたオンチップCE技術では、キャピラリー形状の自由度を活用することによって作製工程を変えることなく、容易に複雑な分岐や合流、集積化ができ、これまでのCEにない機能を持たせることが可能であると考えられている。ところで定量分析において試料濃度が分析装置の測定レンジを上回る場合には希釈操作を行わなければならないが、チップ上の簡素な機構で希釈操作を実現した例はない。そこで本研究ではチップの構造の自由度を生かしたバイパス構造による希釈経路の設計を検討し、開発することを目的とした。 微細加工技術によりμTAS分野で典型的なオンチップCEの構造を作製し、その一部に本流:支流が1:2になるようにバイパス構造を設けた。基材にはガラスの他PDMSも用いた。試料としてフルオレセイン溶液を用い、実体蛍光顕微鏡または倒立型蛍光顕微鏡を通してCCDカメラや光電子増倍管などにより測定した。 ガラス、およびポリマーの微細加工技術により作製したチップを用いて希釈回路を観察した結果、希釈が行われていることを視覚的に確認することができた。また光電子増倍管での検出を行った結果、本流とバイパスに分岐したそれぞれのサンプルの通過時間比は1:3.8、半値幅は等しく、ピーク高さ比は2.9:1、ピーク面積比は3.6:1となった。理論値との比較から通過時間比と半値幅はほぼ理論どおりであり、ピークの高さ、面積比は、軸方向分散により、理論値の2:1とずいぶん離れていたが、このずれは屈曲構造の工夫により回避できると考えられる。このように微細加工技術によりバイパス構造を有する新規微小平板電気泳動デバイスを開発し、この構造により電源などの外部装置を増やすことなく希釈機能の付加が可能であることが示した。
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