研究概要 |
(i)タンパク質などの生体高分子,および(ii)合成高分子の刺激応答特性を制御・複合利用した複合材料の設計・開発とそのバイオプロセス(一例として,タンパク質の新規なリフォールディングプロセス)への応用を目指して,以下の項目について検討した.平成11年度で定量的に評価した合成高分子・生体高分子の(自己触媒的)刺激応答特性に基づき,(1)刺激(ストレス)応答性高分子集合体を設計・開発し,それを(2)刺激(ストレス)応答型バイオプロセスへと応用した. (1)刺激(ストレス)応答性高分子集合体の調製: 平成11年度の知見を参考にしながら,刺激応答性高分子と細胞様分子集合体(コアセルベート(水性二相)系,リポソーム)との複合材料(刺激応答性分子集合体)を調製した.刺激応答性高分子の界面での応答を制御することにより,生体高分子の(i)輸送,(ii)改変(活性化/不活性化),(iii)排出が可能な細胞様分子集合体の調製した. (2)バイオプロセス(リフォールディングプロセス)への応用: 熱・pHを変化させることにより,合成高分子と生体高分子から成る刺激(ストレス)応答性分子集合体を利用して,遺伝子組換えタンパク質の再活性化・高純度化を試みた.具体的には,transglutaminase,lysozyme,CAB,β-galactosidaseなどの単量体・多量体形成タンパク質などを目的物質として,汎用性を有するリフォールディングプロセスを開発するとともに,それを最適化するための指針を明らかにした.さらに刺激(ストレス)応答性高分子集合体の酢性に相系への固定化により,プロセスの連続化も試みた.各種分析装置やクロマト本体は既存の設備を利用した.
|