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ガラスの熱履歴と機械的性質に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 11750730
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 無機工業化学
研究機関滋賀県立大学

研究代表者

吉田 智  滋賀県立大学, 工学部, 助手 (20275168)

研究期間 (年度) 1999 – 2000
研究課題ステータス 完了 (2000年度)
配分額 *注記
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1999年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワードガラス / ホウケイ酸ガラス / 熱処理 / 密度 / ホウ酸塩 / 屈折率
研究概要

研究の最終年度に当たる今年度は,ナトリウムホウケイ酸塩ガラスについて,融液状態の熱処理がガラスの密度に与える影響を検討した.その結果,ガラス転移温度よりも十分高い融液状態においてもガラスの中距離構造が形成されることを示唆する結果が得られた.その概要を以下に示す.
・ナトリウムホウケイ酸塩ガラスを高純度試薬から通常の溶融法にて作製した.ガラス組成は,25Na_2O-xB_2O_3-(100-x)SiO_2(x=0,15,25,30)とした.これらのガラス試料をガラス転移温度よりも十分に高い温度(700℃〜1000℃)で熱処理した後,除冷(10^<-2>K/sec),水冷(約10^3K/sec)の2種の冷却速度で融液を冷却し再度ガラス化させた.従来のガラス形成の理論に従えば,冷却速度が同じであれば融液の熱処理温度に関わらず同じ構造のガラスが得られるはずである.しかしながら,25Na_2O-15B_2O_3-60SiO_2ガラスにおいて,900℃以上で熱処理し除冷した場合には,他の熱処理温度に比べて0.2%密度が増大した.また,水冷した場合においても,900℃で熱処理したガラスの密度は,他の温度で熱処理した場合に比べて0.6%高い密度を有することが分かった.対応する結晶相平衡状態図を参照することにより,900℃の熱処理において融液中に石英のクラスターが生成する可能性が示唆された.石英の密度はガラスマトリックスのそれよりも高く,このため得られるガラスの密度が増大したのだと考えられる.
以上の結果は,液相点近傍での熱処理により,ガラスでありながらより結晶に近い中距離構造を有するガラスが得られることを示している.ガラス構造の「乱雑さの程度」が融液状態の熱処理により変わりうることを示した初めての実験結果といえる.これまで,ガラス作製時の熱処理はガラス転移温度近傍に限られていたが,より寸法精度の高いガラスを得るための手法の一つとして融液状態での熱処理が有効であると考えられる.

報告書

(2件)
  • 2000 実績報告書
  • 1999 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] S.Yoshida et al.: "Shrinkage Behavior of Knoop Indentations in Silica Glass"J.Am.Ceram.Soc.. (印刷中). (2001)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書

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公開日: 1999-04-01   更新日: 2016-04-21  

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