研究課題/領域番号 |
11750738
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機工業化学
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研究機関 | 山口東京理科大学 |
研究代表者 |
白石 幸英 山口東京理科大学, 基礎工学部, 助手 (60289303)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1999年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 銀ナノクラスター / 銀ナノ粒子 / 金属コロイド / 保護高分子 / 酸化エチレン / エチレン / 触媒 / 酸化反応 |
研究概要 |
金属ナノクラスターは、粒径が数nmと極めて小さいため、比表面積が大きく、特異な物理的および化学的性質を示すものとして、新しい機能材料の構成単位として活用され、中でも高機能触媒材料として期待は大きい。金属ナノクラスターの触媒としての研究は、従来水素化などの還元反応が殆どで、酸化反応の触媒として用いた例は皆無である。本研究者は、保護安定化剤としてポリ(N-ビニル-2-ピロリドン)(PVP)の存在下、過塩素酸銀水溶液をアルコール還元することにより、平均粒径3.1nmの銀ナノクラスターの合成に成功した。酸化エチレンの合成触媒には、銀のみが有効で、銀の分散状態が大きく影響を与えるとされているが、従来の担持銀触媒は粒径分布が広く、銀粒子の大きさの制御に限界があった。調製したPVP-Agナノクラスターを、エチレン酸化の触媒として用いた結果、同じ反応条件下で、市販の銀粉末触媒よりも高い触媒活性を示すことを昨年度報告した。本年度は、ポリアクリル酸を保護安定化剤とする銀ナノクラスター(PAA-Ag)を新たに調製し、その触媒活性を測定した。その結果、PAA-Agナノクラスターは、PVP-Agナノクラスターと比較して格段に高い触媒活性を示した。これは、PAA-Agナノクラスターの高温、酸素雰囲気下で安定性が高いことによる。触媒に第2、3の成分を添加すると、アンサンブル効果およびリガンド効果等により活性や選択性の向上が期待される。今年度調製したPAA-Agナノクラスターと、セシウムおよびレニウムの複合化により調製したPAA-Ag-Cs/Reナノクラスターは、複合化しないPAA-Agナノクラスターより2.6倍も酸化触媒活性が向上した。これらの銀ナノクラスター触媒は、溶液中で使用するため、従来の直接気相酸化法と比較し、低温・常圧下の温和な条件下で酸化を可能にするものである。
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