研究課題/領域番号 |
11750739
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
合成化学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
山本 靖典 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30271646)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1999年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | イリジウム触媒 / ニッケル触媒 / 触媒的異性化反応 / アリルホウ素化合物 / アリルシリルエーテル / シリルエノールエーテル / ジアリルエーテル / 触媒的ヒドロホウ素化 |
研究概要 |
本研究は、アリル型ホウ素化合物の新規合成法開発を目的とし、遷移金属触媒、とくにイリジウム、ニッケル触媒を用いた二重結合の異性化反応を利用することにより、ハイドロボレーション反応で得られるビニルホウ素化合物より一段階で目的とするアリル型ホウ素化合物への変換を達成した。さらに、イリジウム、ニッケル触媒による異性化反応の詳しい機構解明、得られたアリル型ホウ素化合物とアルデヒドなどカルボニル化合物との分子間及び分子内反応により生成するホモアリルアルコール類の立体選択性の制御、有機合成への利用を目的として調査したものである。 1.シリルエノールエーテルの合成 アリルシリルエーテルからシリルエノールエーテルへの異性化反応における立体選択性の発現と反応機構について詳しく調査した。その結果、[Ir(cod)_2]PF_6/2PPr_3を水素により活性化した触媒が効果的であり、1級のアリルシリルエーテルでは、アセトン、THFなど配位性の溶媒で速度論支配でトランス体を、非配位性のジクロロメタン中では速やかに熱力学的な平衡に達することがわかった。2級アリルシリルエーテルでもIr-PPr_3系は高活性を示し立体選択性はシリル基と置換基との相対的かさ高さに依存しシリル基が大きい場合はトランス体が、置換基が大きい場合はシス体が得られた。反応はπ-アリルイリジウム中間体を経由して進行しているものと考えられ、立体選択性はπ-アリル中間体の熱力学的安定性により支配され例る事がわかった。 2.ジアリルエーテルの異性化反応 ジアリルエーテルは本異性化反応に対して二つの反応点を有しているが、調査の結果置換基数の少ない二重結合側で異性化反応が優先的に進行しアリルビニルエーテルを与えることがわかった。 3.異性化反応によるアリル型ホウ素化合物の合成 プロパルギルエーテルのヒドロホウ素化反応で得られる(3-アルコキシ-1-プロペニル)ホウ素化合物より一段階で目的とするアリル型ホウ素化合物への立体選択的な変換を達成した。異性化はγ-アルコキシビニルホウ素化合物で効率よく進行し、イリジウム触媒ではトランス選択的に、ニッケル触媒ではシス選択的に異性化する事がわかった。また、本異性化反応を分子内アリルボレーション可能な基質に適用した結果、環状エーテル類の立体選択的単段階合成が達成された。
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