研究課題/領域番号 |
11750793
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
船舶工学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
箕浦 宗彦 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30294044)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2000年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 確率微分方程式 / 確率密度関数 / 極値分布 / 長期予測 / 船体応答 / 標準偏差 / 信頼区間 / 実船モニターデータ |
研究概要 |
波浪中を航海する船舶の船体応答の統計量、例えば、上下加速度の標準偏差や平均船速は、海象や操船等により時々刻々変化する。その統計量の時間変化を簡単な確率微分方程式で数学的にモデル化し、それを解くことで理論的に船体応答の統計量の確率分布を求めた。モデル化は、(1)船体応答の統計量は海象により上下するが常にある値に収斂しようとする、(2)ブラウン運動を行う正規分布で表される確率的な外乱が存在する、と仮定して行った。季節影響や嵐影響などは(2)の確率的な外乱に含まれる。したがって、定期航路だけではなくWorld-Wideの航路に対してもこのモデルは適用できる。このモデルから得られる確率分布は、ある条件では統計量の分布として従来用いられてきたレーリー分布となる。実測された船体応答の統計量の時系列から求められたモデルのパラメータを用いて表される確率密度関数と、実測された船体応答の統計量の正規化された頻度分布を比較すると、概ね良い一致が見られ、モデルの妥当性が示された。また、このようにモデル化することで、少ないデータ量でもデータが(1)(2)の特徴を有していれば安定した評価ができることがわかった。このことは、1年間程度の航海分のデータを用いて、20年間の船体応答の極値分布の長期予測が精度良く行えることを示している。また、モデルのパラメータは、概ね航路と船種に依存するので、実測された船体応答の統計量を用いてパラメータをデータベース化すれば、船舶設計への利用が可能となる。
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